路上ライブとライブハウスで違う3つのこと「自由と制約」編

live
アロハオエ~!aeRu.MeDia主宰の保井康司です。
先日のライブに関する記事がご好評いただいておりましたので、また経験則から音楽についての記事をば。
今回は路上ライブとライブハウス(以下、ステージ)の違いについてです。

自由と制約

3つの違いと書きましたが、まず根本的に異なる部分は
自由と制約
ではないでしょうか。
この自由と制約によって路上とステージでは異なる点があり、今回はそれを無理矢理3つにまとめてみました。

時間の自由と制約

路上とステージでは時間という概念が全く異なります。そりゃそうですよね。路上ライブは基本的に、自分たちの好きな時間に好きな時間まで演奏してたらいいんです。
かたやライブハウスとなると、基本的にはライブのスタートから店舗のクローズまでを限界とし、対バンごとに演奏時間が定められ、その範囲で演奏を終わらさなければなりません。
路上ライブでは、曲目も曲順も関係なく、完成度も求められないので練習も兼ねて、自分たちが思うがままに、のびのびと音楽を楽しめます。ボクが路上を今でもしたいなぁと思うのは、この「のびのびと楽しめる」感覚が忘れられないからです。
空の下で歌うことは開放的であり、解放的でもあります。要するに、これが「自由」です。
しかし、ライブハウスでも、決められた時間内に自分たちの持ち味を引き出せる曲、聴かせたい曲、聴きたいであろう曲、喜ばれる曲などを試行錯誤し、それらの見せ方、並べ方にまで気を配ることで、お客さんとの一体感を味わえます。自分たちとお客さんとで作り出す空気は、あの閉じられた空間でしか存在しない特異なもの。
この時間の「制約」もまた、その中で「自由」を楽しめるようになると味をしめます。

客の自由と制約

路上ライブとライブハウスでは、もちろんのことながらお客さんにも違いがあります。要するに自分たちの演奏を聴くのにお金が発生しているかいないかの違いですね。
路上ライブでは、演者もお客もお金はかかりません。なので、そこには最初からお客さんがいません。路上では、自分たちの腕で通行人の足を止めなければ、路上ライブではなく路上で公開練習をしているだけになります。切ないですね。自分たちが自由な分、お客さんも自由なわけです。
ところが、ライブハウスでは前もってチケットをさばいてたり、対バンのお客さんもいたりと、最初からお客さん有りきでライブが成り立ちます。ですが、お客さんがいなくて客席に対バンのメンバーだけなんて笑えないことも実際にあります。それはそれで楽しいのですが、ミュージシャンとしては笑えませんよね。アマチュアやとしても。
さらに、ライブハウスで対バンのお客さんがいる場合、慣れてないと緊張します。だって「お前らダレ?」なアウェー感を勝手に感じますから。でも、それでいいと思います。彼らに聴いてもらえるだけの熱量で本番に臨むこと。それがミュージシャンとしては何よりもの糧になるからです。
通行人を相手にして足止めさせるのも、見知らぬけれどライブ好きなお客さんに振り向いてもらえるのも、どちらも楽しく、そしてどちらもが壁です。

責任の自由と制約

趣味、遊びと言えど人前で演奏するからには責任感を持ってる方が楽しく、そして伝わりやすいです。
アマチュアとは言え、生で演奏を聴かせる以上、ボクらはミュージシャンですから、大なり小なり伝えたいことがあるとボクは考えています。
路上ライブでは、お客さんが足を止めたくなるような演奏をする責任があります。公開練習なら無責任でもいいのですが、誰かに聴いて欲しいならそれなりの質量が要ります。上手い下手ではなくて。
ただ、そのお客さんは誰でも良いという自由があります。無節操な演奏をしていれば、どの曲かで止まってくれる人はいるはずです。なので、ボクはポップスから民謡まで幅広くカバーしてました。
一方で、ライブハウスでははじめから聴いてくれるお客さんがいるので、彼らに対して失礼のない演奏をする責任があります。
前にヘタでも努力することで伝わると書きましたが、まさにライブハウスの責任とはこれに尽きます。
つまり、ライブハウスには自己満の域から脱さないと飽きられるというシビアな現実を受け止める責任を持たなくてはいけません。

まとめ

以上、無理矢理「自由と制約」という縛りの中で、違いを3つ挙げてみましたが、これは今からでもできる路上ライブと、準備と協力があってはじめて成立するライブハウスとの違いなら当然のことです。
ボクはどちらも好きですが、やはり路上ライブには気楽な雰囲気を求め、ライブハウスにはシビアな空気を求めます。
なぜなら、路上ライブは結局、最終的に自分たちが「あ〜楽しかった」で終われますが、ライブハウスでは、お客さんから拍手をもらってはじめて「楽しかった」と思えるからであり、お客さんに評価された時の「楽しかった」こそが、承認欲求の満足に繋がるからです。
とどのつまりライブとは、自己顕示欲を示せる場所であり、ライブに出るのは、その自己顕示欲を承認されたい欲求を満たすためと言えます。
ただ、ライブをするからには、その先にある「緊張」や「一体感」や「感動」を楽しめるまで自己を高めた方が良いです。ボクは心の底から本気でそう思います。